京都御所の西側の路地裏に、ちょっと変わった店名のおばんざい定食のお店があります。私は御所を訪れた後に何度かお邪魔しましたが、いつ伺っても季節の食材を上手に使った体にやさしいおばんざいの数々と、季節ごとのしつらいに目も心も癒されます。店主さんのこだわりと優しさが詰まったこの素敵なお店をご紹介します。
チョット台所ニ居マスの場所
チョット台所ニ居マスの行き方
地下鉄「丸太町駅」から北へ徒歩約2分
京阪「神宮丸太町駅」から西へ徒歩約20分
地下鉄丸太町駅からの行き方
今回私は京都御苑内の拾翠亭を訪れた後に「チョット台所ニ居マス」を訪れたので、丸太町駅からの行き方の写真を撮るのを忘れました。以下の写真は二年ほど前に撮影したものです。
京都御苑内の拾翠亭については以下でご紹介しています。
今回のスタートは地下鉄「丸太町駅」です。
北改札口を出ます。
改札を出て、コンビニの左横の通路を進みます。
出口2へ向かいます。
階段を上がります。
階段を上がり切ると、烏丸通に出ます。烏丸通の向こうは京都御苑です。
烏丸通を北(左)へ向かいます。
烏丸通を北へ向かうと、すぐ左手に大きな洋館があります。
大丸ヴィラ
「大丸ヴィラ」という説明書きが掲げられていました。
大丸ヴィラは昭和7年(1932)当時の株式会社大丸 社長下村正太郎の住宅として、ヴォーリス建築事務所の設計で建てられました。ヴォーリスとは、アメリカ出身で日本に数多くの西洋建築を手がけた人で、ヴィーリス合名会社(のちの近江兄弟社)の創立者の一人としてメンソレータム(現メンターム)を広く日本に普及させた実業家でもあります。
大丸ヴィラの特徴としては、チューダー様式(イングランドの15世紀末頃から17世紀初頭までの建築様式)で建てられ、木造風に見えるものの実は鉄筋コンクリート造りの3階建てです。当時いわゆる日本化が進んでいた洋館の中で、珍しくほぼ純粋なチューダー様式で建てられ、昭和59年(1984)には京都市登録有形文化財に登録されました。
洋館のかわいらしさと日本建築にはない凝った装飾などが見られ、中に入ってみたいところですが、非公開だそうです。
さて、ここから先は先日訪れた時の写真です。
大丸ヴィラを通り過ぎて一つ目の路地を左(西)へ曲がります。
「竹邑庵太郎敦盛」というおそばやさんの看板を目印に路地の奥へ入って行きます。
路地の突き当りを右(北)へ曲がります。
20mほど路地を進むと、お店に到着です。手作り風の暖簾や店名の看板が町家の雰囲気としっくり馴染んでいます。
チョット台所ニ居マス とは
お店の公式サイトは見つけられなかったので、食べログからの情報です。
「チョット台所ニ居マス」は2012年1月にオープンされた、路地裏の隠れ家レストランです。メニューは国産米と地元産のお野菜を使用した日替わりランチとコーヒーのみ。席はカウンター席3席と、四人掛けのテーブル席の7席。こぢんまりしていて、親戚のお家にお邪魔してご飯を食べさせてもらうような感じの、落ち着くお店です。
とても小さいお店ですが、店内のあちこちに季節のしつらいが。中には手作りと思われる物もさり気なく飾られていました。それらを目にすると、丁寧に暮らしておられる店主さんのお人柄が感じられ、心が癒されます。
以下は昨年9月に訪れた時の写真です。秋らしいですね。
日替わりランチ
さて、お待ちかねの日替わりランチです。ほとんどは作り置きのおばんざいのようでしたが、魚のフライは揚げたてでした。
写真左上から時計回りに
麩とわかめの味噌汁、さつまいもの甘煮、セロリとミョウガとスナップエンドウのナムル、冷ややっこ海苔載せ、おから煮、タコとネギのチヂミ、魚フライ、キュウリとゆで卵のジャコ和え、豚冷しゃぶ甘酢ショウガソース、ゆかりご飯、キュウリの糠漬け
なんと10品!
おばんざいプレートの部分だけ拡大してみました。
セロリとミョウガとスナップエンドウのナムルは、野菜の組み合わせが夏らしく爽やかでした。
冷ややっこの海苔載せは、パリパリの味付け海苔と出汁醤油が豆腐によく合って新鮮な美味しさです。これは家でもすぐ真似できるな~と思いました。
おから煮はナスとコーンとショウガ?が具として入っていて、ショウガのピリッとしたしっかり味にコーンの歯ごたえがアクセントになり、これも夏らしい味でした。
タコとネギのチヂミは、もう間違いない美味しい組み合わせですよね。チヂミはカリッと焼けていました。
魚フライの魚の種類を確認し忘れたのですが、恐らく子持ちシシャモかな?揚げたてサクサクで美味しかったです。
キュウリとゆで卵のジャコ和えは、マヨネーズではなくゴマ和えで、ゆで卵の味が利いていました。
豚冷しゃぶ甘酢ソースは、夏らしい甘酢ショウガのさっぱり味で暑い夏を乗り切れそうな味でした。
奇抜なメニューはありませんが、ちょっと小技が利いていて、季節の食材の味を生かし丁寧に調理されていました。どれも優しくほっとする味わいです。自宅でこんなにたくさんのおかずを作ろうと思ったら大変です。それだけでものすごく贅沢で価値あるランチで、食べると間違いなく元気になります!
色々なものを少しづつ食べたい、まさに女性好みのランチと言え、男性にはボリューム的には少し物足りないかもしれません。そんな方にはご飯はお替わり自由とのことです。
少しわかりにくい場所ですが、大丸ヴィラと「竹邑庵太郎敦盛」の看板を頼りに、京都御所へ行かれた際には足を運んでみてはいかがでしょうか。
京都御苑やその周辺については以下でもご紹介しています。