11月も下旬となり、京都の紅葉も見ごろを迎えました。この時期、京都の紅葉の名所は観光客であふれますが、京都のど真ん中なのに、意外と人が少なくて紅葉を満喫できるお得なスポットがあります。それが京都御所とその周辺です。京都人は京都御所のことを親しみをこめて単に「ごしょ」と呼びます。都会の中の一大紅葉穴場スポットをご紹介します。
京都御苑の場所
京都御苑の行き方
電車で
「丸太町駅」から徒歩3分
「今出川駅」から徒歩3分
「神宮丸太町駅」から徒歩15分
「出町柳駅」から徒歩20分
今回のスタートは地下鉄丸太町駅です。
丸太町駅から京都御苑の行き方は以下のブログをご参照ください。京都御苑を通って、次の目的地、梨木神社までのルートもご紹介しています。
ブログのタイトルに京都御所と書きながら、ご紹介しているスポットは京都御苑とはどういうこと?と疑問に思いますよね(笑)
「京都御所」と「京都御苑」ってどう違うの?と疑問に思い調べてみました。上記のブログでもご紹介しているのですが、以下に再掲します。
京都御所と京都御苑の違い
「御所」というのはこの看板の向こうにある広い公園のずっと奥の、築地塀内の旧皇居、つまりかつて天皇家が居住した場所です。そしてその外側、つまりそれ以外の公園部分を「御苑」と呼んで区別しているのです。
余談ですが、御所の所轄は宮内庁、御苑の所轄は環境省、京都迎賓館の所轄は内閣府なんだそうです。
入館無料ということだったので、早速入ってみました。
閑院宮邸跡とは
閑院宮家は、伏見宮家・有栖川宮家・桂宮家と並ぶ江戸時代の四親王家のひとつで、現在の皇統につらなるのが閑院宮です。東山天皇の第6皇子、直仁親王を始祖として1710年に創立されました。創建当初の建物は天明の大火(1788年)で焼失しており、現在の建物との関係など詳しいことはわかっていないそうです。
閑院宮家が東京に移る明治10年まで邸宅として使用されていましたが、のちに華族会館、裁判所となり、明治16年旧宮内庁京都支庁が設置された際に、現在の建物となりました。
敷地は約11,400㎡あり、築地塀に囲まれています。
中庭を囲む木造平屋立ての4つの棟で構成されており、展示室のある南棟は格式ある外観の書院造です。
庭園では、四季折々の花々を楽しむことができ、池にはアオサギをはじめ、京都の中心部ではなかなか見ることができない野鳥も訪れることがあるそうです。
更に収納展示館では、京都御苑の自然と歴史について学ぶことも出来ます。
築地塀に囲まれた立派な門構えです。
京都御苑に一歩足を踏み入れると、京都の幹線道路の一つ丸太町通を塀一つ隔てただけとは思えない、都会の喧騒とは全く別の清澄な空気が流れています。それは自然の姿を最大限残しつつ丁寧に手入れされた深い森がつくる空気感と言えます。そして、そこからさらにこの閑院宮邸跡に入ると、簡素ながらも宮家特有の高い品格からくる高貴な美しさに満ちています。
この美しさに感嘆している私の前を、近所の保育園の子供たちがにぎやかに散歩していました。京都御苑では、いつも近所の方が散歩したり、近隣の大学などの学生が休憩したりと思い思いにこの自然を満喫しています。私も京都市民ですが、フラっと歩いて訪れるには遠い場所に住んでいるので、近所の方を羨ましく思いました。
広々とした庭園は江戸時代中期の作庭とされる池泉回遊式庭園です。京都御所・京都仙洞御所など皇室の庭園でも見られる州浜を有するこちらの庭園は、かつてはもっと大きな池泉だったそうです。江戸時代の州浜の遺構は地中に残しつつ、その上に同じ形で復元されたのが、今日眺められる州浜です。
先ほどの池の向こうの木々もそうですが、京都御苑の中の木は、とにかく背の高いものが多いです。それだけ長い歴史があるということですね。
先ほどの庭園の奥にはもう一つ小規模ながら優雅な庭園もあります。
明治時代~大正時代に作庭されたこの池泉回遊式庭園の水は、琵琶湖疎水から京都の市街地まで引かれた水路から伸びているそうです。こぢんまりしつつ、きれいな水の流れが楽しめます。
庭園の前には宮内庁長官舎跡があります。官舎の客室などから庭園が眺められるような配置になっていたそうです。
京都御所や京都御苑の歴史を紹介した収蔵展示室です。宮家の邸宅のわりには、非常に簡素な造りに思えますが、やはりとても上品な感じです。
京都御所の自然や歴史、宮廷文化の紹介などの展示がありました。
平安時代から明治時代に至るまで千年以上にわたり天皇がお住まいになり、政事を行ってきた京都御所。江戸時代末期には京都御所を囲むように公家屋敷街が形づくられていましたが、明治維新を迎え京都から東京へと都が移りました。
それに伴って天皇と公家たちも東京へ移り住み、御所と公家屋敷街は一時期荒れ果てていましたが、明治天皇のお考えもあり、大内保存事業が開始されました。公家屋敷街一体は建物を取り払って樹木などを植えて公園化し、新たに「京都御苑」として生まれ変わりました。
京都御苑内の秋の見どころ
まさに見ごろのカエデの紅葉です。一本の木のこの見事な枝の広がり!これも京都御苑ならではですね。
閑院宮邸跡からもう少し北へ向かうと出水の小川があります。水とふれあえるように井戸水を引いて造られた100mほどのものです。夏には水遊びをする子どもたちの人気スポットになるそうです。多くの品種の桜が植えられており、秋は写真のように紅葉していますが、春は京都御苑の桜の見どころのひとつとなっています。
桜と言えば、出水の小川の東側の「十月桜(ジュウガツザクラ)」が見ごろでした。10月頃から開花し、春まで花を咲かせるのだそうです。
これは本当に見上げると首が痛くなるほどの巨樹でした。「凝華洞跡のイチョウ」と呼ばれ、京都市の区民誇りの木にも選ばれているそうです。幹周5.28m、樹高23m。
少しだけ小高くなった丘の上にあるので、よく目立ちます。
でも後で調べてみたら、これでも京都御所の巨木ベスト10のうちの4位だそうです。まだあと3本もこのイチョウより大きい木があるとは…
凝華洞跡のイチョウの前を東へ横切り玉砂利の道を北へ進むと北西(左斜め前)に京都御所の築地塀が見えます。写真を撮り忘れましたが、京都御所の東南にあるのが京都仙洞御所です。こちらの庭園も見事だそうですが、今回は時間の都合でパスしました。
京都御所が見えたら、東(右)へ曲がります。
右に見えているのが京都仙洞御所の築地塀です。こちらのカエデの木も非常に背が高いですね。写真奥に見えている清和院門を目指して、このまま東へ向かいます。
京都仙洞御所の北側の木々です。人との対比で木の背の高さが良くわかりますね。
何度も言いますが、本当に巨樹がたくさんあります。広々とした敷地内で、長い年月をかけて大事に手入れされここまで大きくなった木々が、京都御所の歴史を物言わず見守って来たのでしょうね。
今回のお散歩のゴール、清和院門です。こちらを出ると次の目的地、梨木神社はすぐそこです。
京都御苑の公式サイトに「千年の歴史と四季折々の豊かな自然に囲まれた京のセントラルパークへようこそ」と書かれていました。
まさに京都の町のオアシスとも呼べる京都御苑は、秋だけでなく一年中豊かな自然を満喫でき、いつも清澄な空気に心と体を癒せる絶交の穴場スポットです。
ぜひ次回以降ご紹介する周辺スポットと合わせて足をお運びください。
京都御所周辺には他にもおすすめスポットがたくさんあります。
秋には萩の花が咲き乱れる梨木神社↓
寺町通を挟んで、梨木神社の東向かいには紫式部ゆかりの蘆山寺が↓
相国寺内にある承天閣美術館は伊藤若冲をはじめ、相国寺や塔頭寺院が所蔵する数々の美術品や文化財が多数展示されています。↓