京都おすすめ散歩道

定番から穴場まで京都のお散歩コースを地元民の視点からご紹介

野宮神社 ~竹林の小径に佇む『源氏物語』ゆかりの地 

京都・嵐山の人気観光スポット「竹林の小径」に佇む野宮神社(ののみやじんじゃ)は小さいながらも由緒正しき神社で、いつも国内外の観光客で賑わっています。四季折々に美しい野宮神社ですが、私は青紅葉の時期が一番好きです。今回は青紅葉や苔庭の瑞々しい美しさに包まれた野宮神社をご紹介します。

 

 

 

野宮神社の場所

goo.gl

 

野宮神社の行き方

電車で

京福電鉄「嵐山駅」から:北西へ徒歩約8分

・JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅」から:西へ徒歩約10分

・阪急「嵐山駅」から:北へ徒歩約20分

 

バスで

四条河原町から:市バス11号系統で約45分「野々宮」から徒歩約3分

         京都バス62,67系統で約45分「野々宮」から徒歩約3分

 

 

 

今回のスタートは京福電鉄「嵐山駅」です。

 

駅を出て、嵐山のメインストリート 長辻通を北(右)へ向かいます。

 

長辻通を60mほど北へ向かうと天龍寺です。今の時期は紫陽花が見ごろです。

 

長辻通を更に北へ進みます。

 

長辻通を100mほど進むと左手に「スヌーピーチョコレート」があるので、その角を西(左)へ曲がります。

 

西(左)へ曲がったところです。この道を進みます。もう竹林が見えていますね。

 

嵯峨・嵐山で有名な竹林の小径です。梅雨時の湿った空気の中、清々しい竹の香りがしていました。この道を更に西へ進みます。

 

竹林の小径を50mほど進むと道が北(右)へ曲がっているので道なりに進みます。

 

北へ向いたところです。このまま進みます。

 

20m程進むと、もう野宮神社が見えてきました。

 

野宮神社に到着です。

 

野宮神社とは

野宮は、天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王(皇女、女王の中から選ばれる)が伊勢へ向かう前に身を清めた神社です。

野宮の場所は天皇の即位毎に定められ、嵯峨天皇の皇女仁子内親王の時から現在の野宮神社に野宮が造られたとされています。斎王制度は後醍醐天皇の時に南北朝の戦乱で廃絶しました。その後は神社として存続していましたが、度重なる時代の混乱の中で衰退。その後後奈良天皇中御門天皇らの論旨により再興され、皇室からの厚い崇敬を受けています。

 

斎王行列

鳥居の向かい側の建物の壁に掲示してあった写真は「斎王行列」のものです。

天皇が代替わりすると、未婚の皇女・女王(平均12~13歳)の中から新たな斎王が卜定(吉凶を占い定めること)され、宮中の初斎院で1年間、その後嵯峨野の清らかな場所を選び造営された野宮に入り1年刊潔斎した後に、斎宮尞(現在の三重県多気明和町)に向かい伊勢神宮での神事に臨みました。その時の行列を「斎王群行」といい、斎王以下監送使・官人・女官など合わせて数百人による行列で、嵯峨野から伊勢の斎宮に到着するまでに5泊6日もかかったそうです。1998年より毎年10月の例祭において氏子を中心に「斎宮行列」としてその様子を再現しています。

 

黒木の鳥居

神社の鳥居というと、鮮やかな朱塗りのものが多いですが、野宮神社のものは「黒木鳥居」という珍しいものです。これは樹皮のついたままの鳥居として極めて原始的で日本最古の形式だそうです。現在の野宮神社の鳥居は徳島県剣山の山麓より切り出した「くぬき」を使用し、防腐加工を施したものだそうです。

黒木の鳥居はシックで凛とした趣きがあり、この奥が特に神聖な場所であることを示す「結界」感が強く感じられます。

 

小柴垣

鳥居の両袖にある小柴垣は和菓子に添えられる爪楊枝(黒文字)の材料にもなっているクロモジの木を用いています。天皇陛下の御即位式で建てられる「大嘗祭」も黒木鳥居と小柴垣で囲まれるそうで、やはり野宮神社が皇室と深い関係にあることが伺えます。そして、この小柴垣と黒木の鳥居は『源氏物語』の「賢木」の巻などにも登場し、平安時代の風情を今に伝えています。

 

さっそく中へ入っていきましょう。

本殿

鳥居をくぐってすぐ正面にあるのが本殿です。ご祭神は野宮大神天照大神)です。野宮神社の「境内のご案内」によると学問の神とのことです。

 

野宮じゅうたん苔

本殿から右手奥の方に入っていくと、「野宮じゅうたん苔」と呼ばれている、小さいけれど幻想的で美しい苔庭があります。庭の左奥に見える丸太の橋は、嵐山の「渡月橋」、その前の白砂が桂川をイメージし、この庭全体で嵐山を表現しているそうです。

 

苔庭の奥に更に朱ぬりの鳥居があります。

 

白福稲荷大明神

朱塗りの鳥居をくぐって最初にあるお社には「白福稲荷大明神」が祀られており、子宝・安産・商売繁盛にご利益があるそうです。

 

大山弁財天

白福稲荷大明神の更に右奥には大山弁財天が祀られており、財運開運や交通安全のご利益があるそうです。

 

 

大山弁財天の更に右奥にもう一つ小さな祠があり、その前に狐の像がずらり、名前はわかりませんがお稲荷さんでしょうか?

ここまで来たら行き止まりなので、Uターンして再度本殿へ戻ります。

 

野宮大黒天と亀石

本殿左横には野宮大黒天が祀られており、良縁結婚のご利益があるそうです。その横にはまるで亀のようにずんぐりした神石(亀石)があります。この石を撫でながらお祈りすると、一年以内に願い事が成就すると言われています。私の前にこの石を撫でておられた方も、かなり真剣にお祈りされていました。私も撫でてみると、多くの参拝者に撫でられたお陰でつやつやと黒光りしていました。私の願い事もかないますように…

 

源氏物語野宮神社

野宮は源氏物語の賢木(さかき)の巻に、光源氏と年上の恋人六条御息所(みやすどころ)の別れの舞台として登場することから、「縁結び&悪縁切り」のご利益があることで有名です。高校時代に古文で習った源氏物語に出てくる六条御息所は、美しく知的でハイセンスな年上の女性ながら、嫉妬深く、光源氏を愛するあまり生霊となり他の恋人たちにとりついた恐ろしい女性というイメージがありました。そのため、その六条御息所が登場する野宮神社も京都の郊外にあるうら寂しい場所として描かれていたと記憶しています。一方、現代の野宮神社は縁結びや安産、知恵授けなど様々なご利益を授けてくださり、国内外からの参拝者が年中絶えない賑やかな神社になっています。このイメージのギャップに、最初は私も戸惑いました。しかし野宮神社のことを詳しく調べてみると、そんな暗いイメージは私が勝手に抱いていただけで、皇室からの崇敬も厚い由緒正しき神社だということがわかりました。

 

境内には縁結びや悪縁切りの願いをこめた絵馬が多数掛けられていました。

 

本殿右手にある社務所には様々なお守りや絵馬が所せましと並べられていました。写真を撮らなかったのですが、デザインもとても華やかでかわいいものが多かったです。

 

 

竹林の小径に佇む野宮神社は、平安時代の雅を現代に伝えるパワースポットでした。新緑の美しいこの時期だけでなく、青々とした竹やじゅうたん苔に一年中心癒されることでしょう。駅からも徒歩圏内で、近隣には多数の観光スポットが点在していることから、嵯峨野めぐりの起点として、是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

 

本文とは関係ないのですが、今回で「京都おすすめ散歩道」が100記事目となりました。コロナ禍で始めたお散歩を通じて、近くにありながら詳しく知らなかった京都の素敵なスポットを2年以上にわたりご紹介し、みなさんに発信できたことをとても嬉しく思っています。読者になってくださった方の中には100記事どころか毎日、十年以上もブログを続けていらっしゃる方もたくさんおられます。毎日は無理ですが、これからも自分の感性と自分の足で「京都のここがおすすめ!」と思えるスポットを地道に発信していきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

嵯峨嵐山周辺のおすすめスポットは以下でもご紹介しています。

 

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