世界遺産 東寺は京都駅八条口から徒歩15分、塀の外は街中の交通量の多い通りなので車がビュンビュン行きかいますが、塀の中は瑞々しい緑いっぱいの極楽浄土のような景色が広がっています。三年ぶりに行われる祇園祭の山鉾巡行も近い7月中旬に、満開のハスの花を見に、東寺を訪れました。
東寺の場所
東寺の行き方
電車で
JR「京都駅」八条口から徒歩約15分
バスで
京都駅烏丸口より 「京都駅前」から市バス
78、19系統で約13分「東寺南門前」下車
42系統で約6分「東寺東門前」下車
16系統で約10分「東寺西門前」下車
78、19系統で約9分「東寺南門前」下車
16系統で約5分「東寺西門前」下車
京阪「祇園四条駅」より 「四条京阪前」から市バス
207系統(反時計回り 九条大宮・九条車庫行き)で約19分「東寺東門前」下車
207系統(反時計回り 九条大宮・九条車庫行き)で約19分「東寺東門前」下車
今回のスタートはJR京都駅西口です。
京都駅はとても広く、大きく分けて北側の「烏丸口」(京都タワーに近い方)と南側の「八条口」(新幹線のホームに近い方)があります。
東寺は京都駅の南側なので八条口が近いのですが、八条口にも「八条口」「八条西口」「八条東口」更に「近鉄八条口」もあったりして、非常に分かりにくいので、今回はJR京都伊勢丹に近い「西口」をスタート地点にしました。もしJRで京都駅に来られたら、とりあえずエスカレーターで駅の二階へ上がれば、西口に迷わずたどり着けると思います。
西口の改札を出て南(左手)へ向かいます。
頭上の黄色い案内板に「八条西口」とありますので、それに従いこの通路を直進します。
エスカレーターを降ります。
エスカレーターを降りると、左手が新幹線乗り場(中央口)です。新幹線乗り場を左手に見て直進します。
この辺りが八条西口になります。右手に階段とエスカレーターがあるので右手へ降ります。
この階段を降ります。
階段を降りたところです。左手はタクシー乗り場です。この通路を西へ直進します。
左手に駐輪場があります。このまま西へ向かいます。
階段を降りてから200m弱ほどずっと直進するとこんな景色です。左手は八条通です。八条通沿いを更に西へ向かいます。
左手に駿台予備校、PHPなどのビルが見えます。更に西へ向かいます。
頭上に近鉄京都線の線路が見えます。線路の下が八条堀川の交差点になります。
この交差点を更に西へ渡ります。
右手上方はJRの線路、左手は八条通です。八条通を更に300m余り西へ進みます。
途中「東寺まで5分」の案内板があります。このまま西へ進みます。
高架の手前が大宮八条の交差点です。
この交差点を南(左)へ渡ります。
交差点を渡ると、高架の向こう、右手に小さく五重塔の先が見えてきました。
この道を南へ進みます。
250mほど進むと右手に東寺の慶賀門が見えて来ました。五重塔も見えていますね。
信号を渡ると東寺に到着です。
東寺とは
東寺は平安遷都とともに建立された官寺つまり国立の寺院で、平安京の南玄関である羅城門をはさんで西寺と合わせて建立されました。西寺はその後衰退しましたが、東寺はこれまで何度も戦火や落雷などで焼失していますが、南大門、金堂、講堂、食堂(じきどう)と並ぶ配置とその規模は平安時代からそのまま引き継いでいます。創建からおよそ1200年経った1994年に世界遺産として登録されました。
桓武天皇の後に即位した嵯峨天皇が、空海(弘法大師)に下賜し、日本で初めての真言密教の寺院となり根本道場として長く栄えました。
東寺を託された空海は、密教の主尊である大日如来を境内の中心に据え、広大な寺域に曼荼羅を表現したと言われています。
境内には国宝・重要文化財を多数有し、中でも京都のランドマークとも言われる五重塔は高さ54.8m、日本一の高さの木造建築です。
それでは、慶賀門から中に入っていきましょう。
京都のお寺は拝観料が必要なところが多いですが、金堂、講堂、五重塔以外の境内は拝観料不要で自由にお参りできます。
見ごろを迎えたハスの池
慶賀門を入ると左手すぐに目に入るのが、ハスの池です。東寺の開門は朝5時(!)。
ハスの花は早朝に開いてお昼ごろには閉じてしまうので、ハスの花を見るなら午前中の拝観がおすすめです。私は9時半頃到着しましたが、すでにたくさんの人がハスの花の写真を撮っておられました。
池一面を覆うハスは濃いピンク色が鮮やかで、まるで極楽浄土のような美しさです。
撮影スポットの一番人気は、五重塔をバックにしたハス池です。華やかに群生するハスの向こうにモノトーンの五重塔、周囲の緑も鮮やかなコントラストで、まさに「映える」構図ですね!
小野東風ゆかりの柳
ハス池の横で揺れる柳も風情があるな~と思ってみていたら、立て看板が。
「伝 小野道風ゆかりの柳」と書かれています。
小野道風とは、平安時代の貴族で能書家(書の専門家)。道風は「書道の神」として祀られ、中国から伝わった漢字主体の書風から、かな主体の書道の基礎を築いた人物です。
この道風が、自分の才能を悩み、書道をあきらめかけていたある雨の日のこと、柳に蛙が飛びつこうと、繰り返し飛び跳ねていました。道風は「柳は離れた所にあるから、蛙は柳に飛びつけるわけがない」と思っていました。すると、たまたま吹いた風が柳をしならせ、蛙はうまく飛び移ったそうです。道風は「自分はまだこの蛙ほど努力をしていない」と目を覚まして、書道をやり直すきっかけを得たと言います。この逸話は、花札の「雨」の札に描かれている「柳に小野東風」の絵柄の題材にもなっており、見たことのある方も多いでしょう。そして、その逸話の舞台となったのが、ここ東寺の柳なのだそうです。ことの真偽はわかりませんが、あの花札の「雨」の絵札の不思議な絵には、そういう意味があり、東寺と関係があったとしたら興味深いですね!
宝蔵
柳の木の横のハス池のお堀に囲まれた中にあるのが、東寺の宝物経巻を保管している宝蔵(重要文化財)です。周りを掘で囲っているのは火事による延焼を防ぐため。
平安時代後期建立の校倉造の倉庫で、東寺最古の建造物です。校倉造は奈良の正倉院でも有名ですが、木材を特殊な組み方をすることで、空気の湿度に合わせて木材が伸縮し、室内の湿度が調整される仕組みです。現代のような空調設備が無い時代に、木の特徴を生かして大事な宝物を護って来た昔の人々の知恵に関心します。
この記事を書きながら、今気づいたのですが、ハス池の石の上に亀が二匹休んでいました。ほのぼのして癒されますね~
食堂(じきどう)
ハス池の西側にあるのが食堂(じきどう)です。(写真を撮り忘れたのでネットの無料画像から拝借しました。)
食堂とは僧侶が斎時に食事をした場所です。食堂の建立は平安時代と推定されています。ご本尊は約6mの千手観音菩薩でした。足利尊氏は東寺に本陣を置き、この食堂に居住していたこともありました。現在の建物は、昭和5年(1930年)に焼失後、3年間の工事を経て完成。堂内には納経所があり、洛陽三十三所観音霊場第23番札所にもなっています。
この食堂に置いてあったのが、「お大師さまのおことば」と書かれたリーフレットです。
ハスは、泥水の中からまっすぐに茎をのばして美しい花を咲かせ、開花と同時に実を結ぶ姿は悟りを表し、仏教の象徴とされています。ハスの花というと、ただ美しく極楽浄土に咲く花というイメージでしたが、悩みや苦しみの多い人生をよりよく生きようと導く仏教の精神がハスの花に象徴されていたのですね。弘法大師空海が伝えたかったことの一端が分かった気がしました。
今回のお散歩では、京都駅から東寺までの道のりと、ハス池、そして食堂という無料で拝観できるエリアをご紹介しました。
次回は、東寺の五重塔、金堂、講堂など有料エリアをご紹介します。
京都には他にもハスの花で有名な寺院があります。↓
京都駅の近くの梅小路公園。東寺からも北へ徒歩10分ほどです。↓