京都おすすめ散歩道

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平野神社 ~平安時代から続く桜の博物館

京都にはたくさんの桜の名所があり、ここ平野神社も特に有名ですが、他の観光スポットと比べるとそれほど混雑していなくて、ゆっくりお花見を楽しみたい方におすすめです。

60種400本の桜が境内を埋め尽くすさまは、まさに桜の園。珍しい品種も多く「桜の博物館」とも呼ばれています。

今回は名物の桜とともに、パワースポットととしても有名な平野神社を訪れました。

 

 

 

平野神社の場所

goo.gl

 

平野神社の行き方

JR「京都駅」から

 市バス205、50系統「衣笠校前」下車 北へ徒歩3分

 

京福電鉄北野線北野白梅町駅」から

 北へ徒歩7分

 

京阪「三条駅」から

 市バス10系統「北野白梅町」下車 北へ徒歩7分

 市バス15系統「衣笠校前」下車 北へ徒歩3分

 

阪急京都線「京都河原町駅」から

 市バス205系統「衣笠校前」下車 北へ徒歩3分

 

 

今回のスタートは京福電鉄北野線北野白梅町駅」です。

 

改札を出ると正面が北野白梅町の交差点です。まず北(左)の信号を渡ります。

 

この信号を渡ります。

 

先ほどの信号を渡ったら、右手が西大路通です。西大路通の信号を東へ渡ります。

 

信号を渡ったら、西大路通を北へ向かいます。緩やかな坂道を400mほど登って行きます。

 

平野神社に到着です。

 

平野神社とは

平野神社の創建は平安京遷都頃とされています。元々は桓武天皇の生母の祖神として平城京の田村後宮に祀られていましたが、平安遷都に伴い平安京大内裏近くに移し祀られたことに始まるようです。「後宮」とは、皇后や妃の殿舎。つまり女性が住み、子どもを育てる場所です。そのため後宮に鎮座していた神様は皇太子を守護する神社となりました。また、多くの臣籍降下氏族から氏神として歴史的に崇敬された神社としても知られています。

現在の本殿は江戸時代前期の寛永年間の再建で、4殿2棟からなり、いずれも「平野造」とも称される独特の形式の造りで、重要文化財に指定されています。

本殿のご祭神は次の4柱です。

今木皇大神(いまきのすめおおかみ)源気新生、活力生成の神

九度大神(くどのおおかみ)竈の神、生活安泰の神

古開大神(ふるあきのおおかみ)邪気を振り開く平安の神

比売大神(ひめのおおかみ)生産力の神

まとめると、生まれてきた子がすくすくと成長するよう、食を中心とした生活安定や邪気祓いの神々を後宮に祀り、これからの国の活力生成や幸せを生み出すことを願ったということでしょうか。

 

平野神社の桜

桜は生命力を高める象徴として、平野神社では平安時代より植樹され、現在では約60種400本もあります。珍種の桜が多いのは、臣籍降下した氏族の氏神でもあったことから、蘇り、生産繁栄を願い、各公家伝来の家の標となる桜を奉納したからと伝えられています。平野神社を代表する早咲きで一重のしだれ桜「魁(さきがけ)」、「平野寝覚(ひらのねざめ)」、「御衣黄(ぎょいこう)」などが次々に咲き代わり、約1カ月もの間、花見を楽しむことができます。江戸時代になると庶民にも夜桜が開放され、「平野の夜桜」は都を代表する花見の名所となりました。

 

では早速平野神社へ入っていきましょう。

西大鳥居です。鳥居の向こうに、すでに桜色に染まる境内が見えてきました。

 

紅白の垂れ幕の上に枝を広げる桜の木々の美しさにはやる気持ちが抑えられません。

 

平野神社の境内は拝観無料ですが、こちらの「桜養生園」は、この時期は有料です。受付で拝観料500円を納めて入園します。

2018年の台風21号で、拝殿や平野神社の桜は数十本も倒れてしまったそうです。桜の養生費や拝殿の修理費に充てるため、以前は無料だった桜の園が、2019年以降は「桜養生園」として有料エリアになったそうです。

 

中へ入ると、そこは満開の桜と菜の花の、夢のような空間が広がっていました。写真が下手すぎて、美しさが全く伝わっていないのですが…

 

菜の花は、2018年の台風で桜の木が倒れた後に植えられたそうです。

 

南門前の桜とミツバツツジのコラボレーションです。

 

八重紅枝垂れ桜です。日本ではしだれ桜の中では関山(かんざん)と並んで最も一般的な品種です。先日の平安神宮でもたくさん見られましたね。

 

平野匂(ひらのにほひ)は平野神社に植栽されている希種(希少種)で良い匂いがするそうですが、マスクをしていて気づきませんでした…

 

桜にそっくりですが、アーモンドの花です。桜と同じく、バラ科サクラ属の落葉高木なので、本当にそっくりですよね。アーモンドと桜の大きな違いは花柄(かへい)にあります。花柄とは、枝上における花の配列状態を支える茎のことです。アーモンドは花柄が短く枝に沿うように花を咲かせています。一方、桜はさくらんぼのように、ふんわりとした長い花柄で、一つの花芽から複数の花を咲かせることが特徴です。

 


桜養生園には桜や菜の花だけでなく、色とりどりの花が咲き誇っていました。

桜養生園はどちらを向いてもこのような景色が広がっていて、回遊式の庭園になっているのですが、だんだん方向感覚がわからなくなりそうでした。時間が許せば、ずっと眺めていたい幸せな風景でした。

桜養生園をあとにして、こちらから庭園を出ます。

 

大鳥居の周囲にも満開の桜がこれでもか、と咲き誇っています。

 

参道も桜でいっぱいです。

 

出世引導稲荷周辺の桜

大鳥居を入って北(右)にあるのが出世引導稲荷です。この周りにも色々な桜がありました。

「陽光」は早咲きの桜です。花は大輪で濃いピンク色の一重咲きです。背が高い木で、スマホでは近くで撮影できませんでした。

 

「白妙」東京都足立区の荒川堤で栽培されていた桜です。

 

有明」こちらも東京都足立区荒川堤で栽培されていた桜で、芳香があるそうです。

 

手前の雪柳も見事です。

 

東神門と魁桜

東神門前の「魁(さきがけ)」はその名の通り3月中旬から下旬に咲く早咲きのしだれ桜で、「魁桜が開くと京都の花見が始まる」と言われています。

 

東神門の提灯には、平野神社の御神紋である「桜」が描かれています。

 

拝殿

拝殿です。慶安3年(1650)に東福門院後水尾天皇中宮)により建立され、これまで大きな損壊はありませんでしたが、2018年の台風21号により六本の柱が折れ倒壊してしまいました。その後令和3年9月に無事修復が完了し、またこのように美しい姿に戻りました。

 

仮殿と本殿

拝殿の奥に本殿があるのですが、檜皮屋根の吹き替え工事のため、工事に先立って本殿のご神体は仮殿遷座祭をもって仮殿に御移りされました。

 

拝殿の後ろに(写真右手の白い布がかかった所)仮殿が見えています。そしてその後ろの工事用の覆いがかかった部分が工事中の本殿と思われます。

 

御神木と「すえひろがね」

神門をくぐり前方南(左)、拝殿の左横に御神木のクスノキと霊石「すえひろがね」がある場所は、平野神社随一のパワースポットです。
御神木のクスノキは、樹齢400年を超える大木です。そしてその下にある「すえひろがね」は餅鉄(べいてつ)とも呼ばれる、強い磁力を帯びた特殊な石です。もともと東北地方にあったものを平野神社に運ばれお祀りされています。

古くから不思議な力を持った石として知られ、三種の神器の一つもこの石から作られていたという話もあります。粉にして邪気を吸取る薬としても用いられていて、神様が宿っている神秘の石「鉄尊様(てっそんさま)」と崇められていました。

 

この不思議な力を授かるために、御神木のクスノキに触れながら時計と反対回りに回った後にすえひろがねに触ると、新しい力が吸収されるそうです。

 

すえひろがねの不思議な力を常に身近に感じたい時は、『授かる守』というお守りを神社の授与所で授かることが出来ます。

自身の願うことを念じながら、『授かる守』をすえひろがねにつけると、石のパワーを授かることが出来るそうです。

 

(注意)

私もこの『すえひろがね』を授与所で授かったのですが、そのお守りを入れて渡された紙袋に入っていた注意書きかこちら↓

このお守りは磁石を使っているため、携帯の際には、その磁力の影響を受ける可能性のあるものに近づけないよう注意してください、ということでした。

このことを理解してから、お守りをお受けください。

 

 

遅咲きの桜と境内の花々

満開の桜養生園が見たくて4月初旬に平野神社を訪れたのですが、遅咲きの桜も気になるなあと思い、4月下旬に再訪しました。

4月下旬の桜園の様子です。現在は無料で拝観できます。ソメイヨシノなど主な桜はほとんど散って、青々とした新緑が美しい季節へと変わっていました。そんな中でも、さすがは桜の博物館、平野神社ではまだまだたくさんの桜を見ることが出来ました。

 

「須磨浦普賢象」花色が黄緑色に変化したもので、開花終期には花弁の基部から赤変します。

 

「関山」花色が美しいので、お祝いの席で出される桜湯にはこの花の塩漬けが用いられます。

 

「突羽根(つくばね)」平野神社境内に古くから植えられていた桜です。遅咲きの桜で、桜園のあちこちで見られました。

 

桜園を出て、出世引導稲荷へ移動します。

鬱金(うこん)」花弁が香辛料の「ウコン」に似た淡黄緑色になることからこの名が付けられました。終期には中心部がピンク色に染まります。この花も終わりかけですね。黄色い花を咲かせる唯一の桜であり、清酒「黄桜」もこの花にちなむそうです。

 

ここから東神門の南(左横)の桜です。

「松月(しょうげつ)」八重桜の中では最も優美な桜と言われています。

 

「普賢象」写真には写っていませんが、花の中央に象の鼻のような「変わり葉(雌しべが変化したもの)」があり、「普賢菩薩」が乗る白い象の鼻(または牙)になぞらえてフゲンゾウと名付けられたそうです。

 

東神門の中へ入ります。

「おけさ」東神門を入って北(右手)にある桜で、平野神社にしか無いそうです。

 

おけさ桜の足元にはツツジやアヤメが綺麗に咲いていました。これらの花は5月に咲くイメージだと思うのですが、今年の春は非常に暑いので、季節が早く進んでいるようですね。

 

 

 

今年は桜の時期が長く、たくさんの場所で桜を愛でることができ、とても幸せでした。

特に平野神社は早咲きから遅咲きまで様々な桜があり、公式サイトにも、境内の多種多様な桜が美しい写真とともに紹介されていますので、予習してからお花見するもよし、後で自分で撮った写真と見比べて復習するもよし、色々な楽しみ方が出来ます。「桜の博物館」でたくさんの桜を知り、予習復習もしっかりしたら、にわか「桜博士」になれるかも?

ソメイヨシノの時期以外にもお花見できる貴重なスポットですね。

新年度の始まる春、平野神社を参拝すれば、家庭や生活を安定させ、活力生成で運気もアップするかもしれませんね。近くには北野天満宮金閣寺もありますので、是非一緒にお訪ねください。

 

 

 

 

北野天満宮は以下のブログでもご紹介しています。↓

www.yomurashamrock.me