京都おすすめ散歩道

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天龍寺「百花苑」と亀山公園 ~百花繚乱の嵐山

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京都、嵐山のランドマーク的存在、天龍寺。言わずと知れた世界遺産で、境内の美しさも折り紙つきです。修学旅行で訪れた方も多いと思います。桜を始め様々な花が咲き乱れる、境内の「百花苑」が、まさに見ごろとなっていました。今回は、天龍寺のすぐ裏にあたる亀山公園やその展望台からの絶景も一緒にご紹介します。

 

 

天龍寺の場所

goo.gl

 

天龍寺の行き方

電車で

 ・京福電気鉄道嵐山線 

   「嵐山」駅下車

 ・JR嵯峨野線 

   「嵯峨嵐山」駅下車徒歩13分

 ・阪急電車 

   「嵐山」駅下車徒歩15分

 

バスで

 ・市バス 11.28,93番で

   「嵐山天龍寺前」下車前

 ・京都バス 61,72,83番で

   「京福嵐山駅前」下車前

 

天龍寺は以下のブログでもご紹介しています。最寄りの駅からの行き方もこちらをご参照ください。↓

www.yomurashamrock.me

 

今回のスタートは、庭園受付です。

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こちらで拝観料を納め、庭園へ入ります。

 

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受付横の看板には庭園内の枝垂れ桜が満開、そのほか沢山の花が開花中と書かれていて、期待が高まります。

 

天龍寺とは

臨済宗天龍寺派大本山で、足利尊氏後醍醐天皇の菩提を弔うため、暦応2年(1339)、夢窓疎石を開山として創建されました。室町時代には京都五山の第一位を占めた格式高い寺院です。創建以来は八度にわたる大火により堂宇が焼失し、創建当時の壮大な面影はとどめていないそうです。現在の諸堂は明治になって再建されたものです。方丈には藤原時代の釈迦如来像を本尊として安置し、多宝殿は吉野朝の紫宸殿を模して建てられました。当時の原型を残す曹源池庭園は亀山や嵐山を借景にして池泉回遊式で、夢窓礎石の作庭を言われています。

日本で最初に史跡・特別名勝に指定され、平成6年(1994)に「古都京都の文化財」として、「正解文化遺産に登録されました。

平成9年(1997)に加山又造画伯によって法堂の天井に「雲龍図」が描かれました。

 

方丈

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庭園受付から入ってすぐが方丈です。

方丈とは禅宗様式柄の一つで、住職の居室です。方丈のご本尊は釈迦如来坐像I(重要文化財)です。平安時代後期の作とされ、天龍寺が受けた八度の火災のいずれにも罹災せず助けられた仏像で、天龍寺に祀られる仏像の中で最も古いものとなります。

方丈の東は中門に対し、西は曹源池に面しています。東側が正面で曹源池側が裏となります。

方丈の東面を通り過ぎ、方丈の裏手(西面)に回ると曹源池庭園に出ます。

 

曹源池庭園

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曹源池庭園は、約700年前の夢窓疎石作庭当時の面影をとどめており、わが国最初の史跡・特別名勝に指定されました。中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園です。

方丈からみた曹源池中央正面には2枚の巨岩を立て龍門の滝とします。龍門の滝とは中国の登龍門の故事になぞらえたもので、鯉魚石を配するが、通常の鯉魚石が滝の下に置かれているのに対し、この石は滝の流れの横に置かれており、龍と化す途中の姿を現す珍しい姿をしていると言われています。曹源池の名称は夢窓疎石が池の泥をあげたとき池中から「曹源一滴」と記した石碑が現れたところから名付けられたそうです。

嵐山や庭園西に位置する亀山を取り込んだ借景式庭園で、まさに周囲の自然と一体化した壮麗な美しさです。

曹源池から更に北へ、百花苑の方へ向かいます。

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石段を登り、その向こうに広がっているのが…

 

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見事な枝垂れ桜の巨木たちです。

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この日は曇り時々雨模様だったのが残念でしたが、それでもこの枝垂れ桜の迫力は曇り空にも負けないものでした。

 

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先ほどの枝垂れ桜群の奥の小道から丘の上へ向かいます。

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満開のミツバツツジです。

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白とピンクが可愛らしいボケ。

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こちらは濃い赤色のボケ。

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石段を登り切ったところです。

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丘の上から見下ろすと枝垂れ桜群が見えます。こちらは「望京の丘」と呼ばれているそうです。

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丘の上に立つ、更に大きな枝垂れ桜です。樹齢はわかりませんが百年は越えていそうな巨木です。どれだけ長い間、天龍寺や嵐山の歴史を見守ってきたのでしょうか。曇り空にゆらゆらと揺れる姿には美しさへの感動とともに畏怖の念が湧きました。

天龍寺の主のような枝垂れ桜を後にして、反対側の石段を下っていきます。

 

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ミツマタも満開です。

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「平和観音と愛の泉」という池があり、池にはカエルが三匹。この「カエル三尊」は、平和観音を守護しているそうで、このカエル像の前のお皿にお金を投げて見事に入ると倍になって返ってくると言われています。

 

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「平和観音像と愛の泉」や枝垂れ桜を見入っていた、着物姿の女性グループが華を添えていました。

 

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愛の泉の右横の小道から「百花苑」へ入っていきます。

 

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シャクナゲツツジの仲間で、花が密集して咲くので華やかですね。

 

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こちらはヨシノツツジショッキングピンクが鮮やかです。

 

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雪が降り積もったかのように枝垂れた枝一面に白い花を咲かせるユキヤナギ

 

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サンシュユは、早春、葉がつく前に木一面に黄色の花をつけることから「ハル͡コガネバナ」(春黄金花)という可愛い日本名があるそうです。

 

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アセビは葉や茎に含まれる有毒成分によって「足がしびれる」ことが変化してこの名がついたとも、アセビの葉を食べた馬が酔っ払ったようにふらふらしてしまったことから「馬酔木」と名付けられたとも言われています。可愛らしい花に似合わない怖い名前ですね。

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ヒカゲツツジは黄緑色の独特の雰囲気があります。日陰では蛍光色のようにも見えるそうで、自生地では水辺の景色を照らすことから「サワテラシ」とも呼ばれています。

 

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トキワガマズミです。小さなラッパ型の花が、直系7センチほどの半球状に集まって咲く姿が清楚で可愛らしいです。

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その名の通り百花繚乱の百花苑でした。

 

道中を撮り忘れましたが、百花苑を北の端まで進むと、天龍寺の北門に出ます。

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そちらから西へ曲がると竹林の美しい小径へ出て、突き当りの大河内山荘の横の道を南へ下がると、亀山公園へ出ます。

 

亀山公園の場所

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地元の人は「亀山公園」と呼びますが、「嵐山公園 亀山地区」が正式名称なのだそうです。ちなみに、渡月橋の南側に東西に広がっている公園を地元の人は「中之島公園

と呼びますが、こちらは「嵐山公園 中之島地区」が正式名称です。

 

地図:京都府公式サイトより

 

亀山公園(嵐山公園亀山地区)とは

京都市の西北に連なる愛宕山脈。その間を縫うように流れる桂川丹波山地に源を発し、亀岡の保津峡付近は保津川、嵐山付近からは大堰川、その下流は「桂川」と呼ばれています。嵐山公園保津川渓谷が平野に達したあたり、大堰川の川岸の広い範囲に位置し、亀山、中之島臨川寺の三地区からなっています。

亀山地区は、渡月橋の北端から大堰川沿いに西へ500m程進んだ先、小倉山の南東部を占める丘陵地で、アカマツを主木にサクラ、カエデを交え、木下にはヤマツツジなどが群生するなど、美しい自然が印象的です。その中に園路がめぐり、広場や休憩所、展望台、児童広場があります。西側は保津峡を見渡せる抜群の眺望地、東側は後嵯峨天皇以下三天皇火葬塚となっています。

 

亀山公園への詳しい行き方などは以下でもご紹介しています↓

www.yomurashamrock.me

 

 

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大河内山荘側から亀山公園に入った辺りです。

たくさんの桜の木が出迎えてくれます。

 

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こちらから丘の上へあがって展望台を目指します。

 

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桜並木を登って行きます。

 

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亀山公園でもミツバツツジが満開でした。

 

竹林側の入口から、なだらかな坂道を登ること10分ほど、あ~しんど、と思った頃に展望台に到着です。

その展望台からの眺めがこちら

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保津川の深い碧と山の若葉、そして桜の淡いピンク色が織りなすハーモニーは正に絶景です。

亀山公園の展望台は三か所あり、それぞれに角度の違う絶景が楽しめます。

 

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展望台のベンチで休んでいると、ちょうど保津川下りの屋形船が通りかかりました。

タイミングが合えば、川のこちら側にある線路をトロッコ列車が通ります。

川向うに見えている建物群は星のや京都です。渡月橋の南端から専用の渡し舟でホテルへ行くことが出来るそうです。星のや京都の背後の山の中腹には断崖の絶景寺院「大悲閣千光寺」が見えています。ちょうどウグイスの鳴き声(ただし絶賛自主練中のちょっと覚束ない鳴き声でしたが)も聞こえてきました。

 

私が訪れたのは4月初旬の土曜日、コロナ禍とは言え蔓延防止措置も解除された春休み中だったので、天龍寺の前のお土産物屋や飲食店の立ち並ぶ長辻通中之島公園付近は観光客でごった返していました。この亀山公園はそんな喧噪が嘘のような静かな絶景を楽しむことが出来ます。

 

最後に定番の渡月橋と桜のコラボレーションをどうぞ

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ちなみに渡月橋の北東のこの辺りが嵐山公園臨川寺地区になります。

嵐山を背景にした、桜と渡月橋の風景は、テレビなどでもよく紹介されますね。

やはりこちらからの眺めも絶景です。

 

今回は、枝垂れ桜と春の花々の競演が美しい天龍寺と、あまり知られていない絶景スポット亀山公園をご紹介しました。ショッピングやグルメももちろん楽しいものですが、嵐山へお越しの折には、このような四季折々の自然の美も是非お見逃しなく!

 

天龍寺についてはこちらのブログでもご紹介しています↓

 

www.yomurashamrock.me