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天龍寺と祇王寺 ~嵯峨嵐山 名残の雪景色

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少しづつ春めく日も増えてきた2月下旬、嵯峨嵐山に雪が降った朝です。おそらく今年最後になるであろう雪景色を惜しみ、天龍寺祇王寺を訪ねてみました。

 

 

天龍寺の場所

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天龍寺の行き方

電車で

 ・京福電気鉄道嵐山線 

   「嵐山」駅下車

 ・JR嵯峨野線 

   「嵯峨嵐山」駅下車徒歩13分

 ・阪急電車 

   「嵐山」駅下車徒歩15分

バスで

 ・市バス 11.28,93番で

   「嵐山天龍寺前」下車前

 ・京都バス 61,72,83番で

   「京福嵐山駅前」下車前

 

天龍寺への行き方や詳しい情報については、以下のブログでもご紹介しています。↓

www.yomurashamrock.me

www.yomurashamrock.me

 

 

まず、天龍寺へ向かいました。

天龍寺とは

嵐山や渡月橋天龍寺の西側に広がる亀山公園などもかつては天龍寺の境内地でした。

もともと後嵯峨天皇の亀山離宮があった所に、暦応2(1339)年、足利尊氏後醍醐天皇の菩提を弔うため、夢想国師を開山として創建した禅寺です。

室町時代には京都五山の第一位を占めたこともありました。創建以来八度にわたる大火で創建当時の壮大な面影はとどめていないそうです。現在の諸堂は明治になって再建されました。当時の原型を残す曹源池庭園は亀山や嵐山を借景にした池泉廻遊式で、夢想国師の作庭と言われています。

日本で最初に史跡・特別名勝に指定され1994年12月には「古都京都の文化財」として、世界文化遺産に登録されました。

 

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庭園への拝観受付の横には、役目を終えた鬼瓦が展示されています。雪を被って、力強い感じが弱まっていますね(笑)

 

さっそく中へ入ります。

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方丈前の庭園です。枯山水の庭がうっすら雪化粧しています。

 

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方丈の角を曲がると曹源池庭園です。雪で白く輝く方丈の屋根と池の深い緑、そして庭の木々の雪が見事なハーモニーを奏でています。

天龍寺京都市内の一番西に位置し、曹源池庭園が東側に広く開けているので、朝日が当たる早朝が最も美しいそうです。今回は9時頃に訪問しましたが、次回はもっと早く訪れてみたいです。

 曹現池庭園は、約700年前の夢窓国師作庭当時の面影をとどめており、わが国最初の史跡・特別名勝指定だそうです。中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、大堰川を隔てた嵐山や庭園西に位置する亀山を取り込んだ借景式庭園でもあります。

方丈からみた曹源池中央正面には2枚の巨岩を立て龍門の滝とします。龍門の滝とは中国の登龍門の故事になぞらえたもので、鯉魚石を配するが、通常の鯉魚石が滝の下に置かれているのに対し、この石は滝の流れの横に置かれており、龍と化す途中の姿を現す珍しい姿をしていると言われています。

曹源池の名称は国師が池の泥をあげたとき池中から「曹源一滴」と記した石碑が現れたところから名付けられたそうです。

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池の鯉も寒そうに体を寄せあっていました。

 

さらに奥の「百花苑」へ入って行きます。

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百花苑入口付近に咲いていた椿です。雪に日の光が当たり、椿の紅色を引き立てています。

 

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曙馬酔木(アケボノアセビ)です。アセビというと薄桃色や白色のイメージですが、こちらは別名ベニバナアセビとも呼ばれるように紅色が美しい種類です。

アセビ類の壺型の花は寒い時期に咲くため、霜や雪を防ぐため下向きで入口が小さいそうです。虫による受粉が難しそうですが、雄しべに細長い突起があり、これに昆虫の口が触れると花粉を落とすことで受粉させるという絶妙な構造なんだそう。

 

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素心蝋梅(ソシンロウバイ)です。普通の蝋梅(ロウバイ)は内側の花被片が濃い紫色ですが、素心蝋梅は花被片全体が黄色くなります。蝋梅の名は、蝋細工のように見える花の姿から来ているそうです。マスク越しですが、水仙に似た甘い香りが漂っていました。英名はウインタースウィート(winter sweet)と可愛らしい名前がついています。

 

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山茶花サザンカ)です。薄桃色の花びらが優しい色合いです。

 

花の少ない真冬の時期ではありますが、さすが「百花苑」、雪と花の貴重なコラボレーションを随所で見ることが出来ました。

 

 

 

さて、次は祇王寺へ向かいます。天龍寺から祇王寺までは徒歩20分ほどです。

 

祇王寺の場所

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祇王寺の行き方

・電車で

 ①JR嵯峨野線

   「嵯峨嵐山駅」下車 徒歩25分

 ②京福電気鉄道

   「嵐山駅」下車 徒歩25分

・市バスで

 ①四条河原町から

  市バス11番(山越中町行)乗車(約50分)

  「嵯峨小学校前」下車 徒歩17分

 ②四条烏丸(阪急烏丸駅)から

  市バス91番(大覚寺行)乗車(約45分)

  「嵯峨釈迦堂前」下車 徒歩15分

 ③阪急嵐山駅から

  市バス28番(大覚寺行)乗車(約10分)

  「嵯峨釈迦堂前」下車 徒歩15分

 

祇王寺への行き方や詳しい情報は以下のブログでもご紹介しています。↓

www.yomurashamrock.me

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祇王寺へ向かう坂道の途中に可愛いお地蔵さん群が。

お地蔵さんたちの向こうの坂道を上がり切った所に祇王寺があります。

 

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祇王寺に到着です。10時を少し過ぎていて、だいぶ雪が解けていましたが、こじんまりとした風情のある入口です。

 

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苔むした藁葺の門にも雪が積もり、趣きがあります。

 

祇王寺とは

祇王寺は往生院祇王寺と号する真言宗の寺院です。寺伝によれば、この地は平安時代に開創し、後に祇王寺と呼ばれるようになったそうです。

 平家物語によれば、祇王平清盛に寵愛された白拍子でしたが、若い仏御前の出現により清盛の心が離れてしまったので、母刀自(とじ)、妹祇女と共に出家し、当地に移り住みました。後に「いつかわが身も同じ運命」と悟った仏御前も旧怨を捨てた祇王母子に加わり、4人で念仏三昧の余生を送ったと伝えられています。

 現在の本堂は、明治28年(1895)に再建されたもので、堂内には、本尊大日如来像をはじめ、平清盛祇王ら四人の尼僧像を安置しています。

 

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祇王寺というと苔庭で有名ですが、この時は雪に覆われてところどころ苔が顔を出していました。雪が太陽の光を受けて輝き、庭全体を明るく照らしていました。

 

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祇王寺を囲む竹林にも少し雪が残っていました。

 

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ひっそりと佇むかやぶき屋根の草庵。中には祇王、祇女、刀自、仏御前ら五人の木像が安置されている仏間があり、吉野窓から外の景色を眺めることもできます。

 

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草庵の奥の間の大きな窓を吉野窓と言います。境内の緑葉を通って差し込む日差しが障子に色とりどりの色彩を映し出すことから「虹の窓」とも呼ばれています。

 

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色彩の少ない雪の庭にわずかに残った紅葉が美しいですね。

 

今回は二月末の天龍寺祇王寺をご紹介しました。水墨画のような雪景色ももちろん美しいのですが、春の声が聞こえてきそうな、淡い雪と緑や花々の色彩の組み合わせもまた趣き深いものですね。あとひと月もすれば桜の季節となります。春の訪れが待ち遠しいお散歩でした。天龍寺祇王寺もJRや阪急、京福などの各駅からのアクセスも良く、お散歩にちょうど良い距離感で、周辺にもたくさんの見どころがありますので、ぜひ訪れてみてください。

 

 

嵯峨嵐山周辺のおすすめスポットは以下のブログをご覧ください。

天龍寺塔頭で庭園が美しい宝厳院↓

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渡月橋の西にある日本画の美術館二館↓

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天龍寺の西にある絶景スポット亀山公園↓

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亀山公園の向かいの絶壁に佇む穴場スポット大悲閣千光寺↓

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小倉山のふもとの日本で唯一の髪の神社 御髪神社

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国宝釈迦如来像を有する名刹 清凉寺釈迦堂↓

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奥嵯峨の紅葉の名所 二尊院

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