京都おすすめ散歩道

定番から穴場まで京都のお散歩コースを地元民の視点からご紹介

梨木神社~萩の咲き乱れる小さな社~ ①地下鉄丸太町駅から京都御苑を経て梨木神社へ

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京都御苑の東にひっそりと佇む梨木神社は、別名「萩の宮」とも呼ばれ、9月には境内に咲き乱れる萩の花で彩られます。近隣には京都府立医科大学、その付属病院などの関連施設や住宅街があり、とても閑静な一帯です。

訪れてみると、小さいながら心癒されるスポットが沢山ある魅力的な神社であることがわかりました。観光用の大きな案内の看板などもなく、京都市民でも知らない人も多いと思いますので、京都御苑とともにご紹介していきます。

今回は地下鉄丸太町駅から京都御苑を通り抜けて梨木神社へのお散歩コースをご紹介します。

 

梨木神社の場所

goo.gl

 

梨木神社の行き方

●バスで

 JR京都駅前(烏丸口

  市バス乗り場A2乗り場から

  4系統・17系統・205系統で約20分

  「府立医大病院前」下車 徒歩3分

 

●電車で

 京都市営地下鉄烏丸線

  「丸太町駅」1番出口から徒歩約20分

  「今出川駅」3番出口から徒歩約20分

 京阪電車

  「神宮丸太町駅」1番出口から徒歩約15分

  「出町柳駅」  2番出口から徒歩約15分

 

 

梨木神社はどこの駅からでも徒歩15分~20分ほどかかります。

京阪電車出町柳駅からの行き方は下記のブログをご参照ください。

寺町通をはさんで梨木神社の向かいにある蘆山寺をご紹介しています。

 

yomurashamroch.hatenablog.com

 

丸太町駅から京都御苑

今回のスタートは、地下鉄「丸太町駅」です。京都御苑を通り抜けて梨木神社へ向かいます。

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北改札口から出ます。

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コンビニの右手に行くと出口1に行けます。

 

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案内表示に従って進みます。

 

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奥に見えている階段を上ります。

 

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階段を上がり切った所です。

右手は丸太町通、左手は京都御苑です。このまま丸太町通沿いを東(前方)へ進みます。

 

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120mほど進むと、京都御苑間之町口に出ます。こちらから入ります。

 

京都御所京都御苑の違い

ところで、この写真に出ている看板は「京都御苑」と書かれていますよね。私をはじめ京都人の多くは「京都御所」あるいは単に「御所」と呼んでいます。私もここは京都御所だと思っていたので、京都御所京都御苑はどう違うのか疑問に思い、調べてみました。

「御所」というのはこの看板の向こうにある広い公園のずっと奥の、築地塀内の旧皇居、つまりかつて天皇家が居住した場所です。そしてその外側、つまりそれ以外の公園部分を「御苑」と呼んで区別しているのです。

余談ですが、御所の所轄は宮内庁、御苑の所轄は環境省京都迎賓館の所轄は内閣府なんだそうです。

 

厳島神社から仙洞御所へ

では早速、この京都御苑間之町口から中に入って行きます。

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京都御苑に入るとすぐに出迎えてくれるのが、濃いピンク色の花が印象的な百日紅さるすべり)の木です。近所の家でも咲いているのをよく見かけますが、こんなに大きな百日紅の木は初めて見ました。百日紅の木の左側に京都御苑の地図があります。

 

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この地図の左下の赤い色のついたあたりが現在地です。

京都市内の中心部にあって、深い緑に包まれた京都御苑は、東西約700m、南北約1300mのほぼ長方形をしており、このうち御所などを除いた約65haが「国民公園」として終日開放されています。苑内には約5万本の樹木が生育し、外周九門や、かつての公家屋敷の遺構も多く残っています。豊かな自然と歴史に恵まれた京都御苑は、御所の前庭として、また、散策、休養、スポーツ、そして自然や歴史とのふれあいの場として多くの人々に親しまれています。

 

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ここから、赤い線で示したルートを歩いて梨木神社へ向かいます。

 

さきほどの百日紅の木の右の道を斜め右へ進みます。

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この日は秋分の日の祝日。家族連れなどの人が散歩したり、木陰で休んだりと思い思いに京都御苑の自然を楽しんでおられました。

 

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先ほどの道を進むと右手に「厳島神社」がありました。

中に入ってみました。

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社伝によれば、この神社は、平清盛が、母 祇園女御のために、摂津国兵庫津に安芸国厳島神社の神を祀ったのが始まりです。祇園女御市杵島姫命田心姫命湍津姫命も合わせて祀っています。その神社を時期は不明ですがこの地へ遷座させたそうです。

この地は後世九條家の邸宅に取り込まれて同家の鎮守として崇敬されるとともに、池泉回遊式庭園の一部を構成するものとなりました。明治になって九條家は東京へ転宅しましたが、この厳島神社はそのまま残されたそうです。社前の石鳥居は笠木が唐破風で京都三珍鳥居の一つ(あと二つは北野天満宮の伴氏社の石造鳥居、木嶋坐天照御魂神社の三柱鳥居)とされ、池の弁財天とも呼ばれています。

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厳島神社を出て、再び御苑内の道を北東(斜め右)へ進みます。

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道が二手に分かれています。左手へ進みます。

 

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先ほどの道を左手へ進むと、遠く正面に京都御所の建礼門が見えます。この道を少し進むと、また右手に分かれ道があります。

 

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分かれ道の右手へ進みます。

 

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また道が二手に分かれています。斜め右へ進みます。

 

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大きな塀に囲まれた場所が見えてきました。こちらを左へ曲がります。

 

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左へ曲がったところです。右手に見える長い塀の中は京都仙洞御所・大宮御所です。

 

京都仙洞御所・大宮御所とは

仙洞御所とは退位した天皇上皇)のための御所で、大宮御所とは上皇の后の御所を指します。京都御所に隣接する現在の場所に定まったのは、1630年、後水尾上皇とその后の東福門院のために造営された時に遡ります。

仙洞御所・大宮御所は、1854年の火災で主要な建物が焼失し、仙洞御所の建物は再建されないまま現在に至りますが、大宮御所は1867年に整備され、現在でも天皇皇后両陛下が京都に来られた際のご宿泊所として用いられているそうです。

 

1840年(天保11年)の光格天皇崩御後は、退位し上皇となる天皇がいなかったことから、1869年(明治2)に東京へ皇室や御所が移転された後も従来より単に「仙洞御所」と称されていました。

2019年に第125代天皇明仁さまが、明治以降初めて退位した天皇となり、上皇となりました。その上皇の御所として「仙洞御所」が東京にも必要になったことから、区別のために従来の仙洞御所は「京都仙洞御所」と改称されたのです。

 

ところで、私が京都仙洞御所の横を歩いていた時、一人の若い女性が私の少し前を歩いていました。秋分の日とは言え、日差しは強く照り付け、暑くなってきた私は、仙洞御所の塀でできた日陰を歩こうと塀に近づきました。私の前の女性もスマホを取り出し、私より一歩早く仙洞御所の塀の庇の下に立ったその時です。いきなりブザーが鳴り、「京都御所はみなさんの財産です。大切にしましょう」(うろ覚えなので、セリフが違っていたらすいません)という女性アナウンスが流れました。そして、黒塗りのパトカーがすっと近寄り「壁から離れてください」という警察官の声が。京都御苑に足を踏み入れた時から、パトカーらしき車が巡回しているのが気になっていたのですが、こういうことだったんですね。

京都御所では赤外線センサーがあり、それに触れると大音量のブザーが鳴り警告するそうです。塀にセンサーがある訳は、落書きなどがあり警戒しているからということのようです。皇室の方の宿泊場所でもある大事な場所なので、こうやって守られているのですね。みなさんも御所内の塀の近くを歩かれる際にはお気をつけください。

 

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京都仙洞御所正門です。現在はこちらからは入れないようです。

 

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仙洞御所正門から更に300mほど北上すると、左前方に京都御所築地塀が見え、右手の仙洞御所の西側の塀が終わり、東側へ曲がります。

仙洞御所の北端を東(右)へ曲がります。f:id:yomurashamroch:20210928131822j:plain

仙洞御所の北端を東へ曲がったところです。写真奥に清和院御門が小さく見えています。

 

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先ほどの写真を拡大しました。右手にある仙洞御所の塀の途中にあるのが参拝者出入口です。普段は事前に申し込みをすれば無料で参観できるようです。現在は感染拡大防止のため受付を中止しています。詳しくは京都仙洞御所の公式サイトからご確認ください↓

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更に250mほど東へ進むと清和院御門に到着です。京都御苑の東側の門です。清和院御門をくぐると…

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左前方に神社の鳥居が見えます。でも鳥居の後ろはマンションのような…???

 

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鳥居の前に行ってみました。確かに鳥居に「梨木神社」とあります。

この写真ではわかりにくいと思いますが、やっぱり鳥居の後ろはマンションのようです。

 

地下鉄丸太町駅から梨木神社までは、京都御苑を通って約15分でした。

京都御苑は京都の中心部とは信じられないほどの緑豊かな公園で、四季を通じて市民の憩いの場所となっています。今回は梨木神社がテーマと言いながら、京都御苑ばかりご紹介してしまいました(笑)京都御苑だけでも見どころが満載なので、いつか京都御苑京都御所についても、更に詳しくご紹介したいと思います。

次回は本題の梨木神社についてご紹介していきます。

鳥居の後ろのマンションについても調べましたので、次回詳しくご紹介します。

 

 

 

京都御苑の北側には、あまり観光地化されていないものの、京都五山二位を誇る大寺院相国寺があります。

yomurashamroch.hatenablog.com

 

 

相国寺内にある承天閣美術館伊藤若冲をはじめ、相国寺塔頭寺院が所蔵する数々の美術品や文化財が多数展示されています。↓

 

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相国寺の山内塔頭や神社などもおすすめです。↓

 

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梨木神社の向かいにある紫式部ゆかりの蘆山寺↓

 

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