京都の観光名所の一つ、平安神宮は、平安遷都1100年を記念して、かつての平安京を再現した神社です。京都には1000年ほど前から続く大変古い神社仏閣も多いのですが、平安神宮は明治時代に出来た比較的新しい神社だということは、京都の人でも意外と知られていません。
今回は王朝文化をしのばせる平安神宮の社殿や庭園をご紹介します。
平安神宮の場所
平安神宮の行き方
- JR「京都駅」より、平安神宮
- 市バス5系統、洛バス100号・110号系統
- 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車 北へ徒歩5分
- 京都駅より約30分
- ■阪急「河原町駅」より、平安神宮
- 市バス5系統、46系統、32系統
- 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」
- 「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車北へ徒歩5分
- 河原町駅より約20分
- ■祇園・清水寺方面より、平安神宮
- 市バス201系統、203系統、206系統、「東山二条・岡崎公園口」
- 下車 東へ徒歩5分
- 洛バス100号系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」
- 下車 北へ徒歩5分
- 清水道より約25分
- ■平安神宮の最寄り駅
- 地下鉄東西線「東山駅」
- 下車、1番出口より徒歩10分
- 京阪鴨東線「三条駅」「神宮丸太町駅」
- 又は下車、徒歩15分
一番出口から出て三条通を東へ向かいます。
ローソンを過ぎて一つ目の交差点(三条神宮道)を北(左)へ曲がります。
角を曲がると、もう400mほど先に平安神宮の大鳥居が見えています。
新緑のまぶしい岡崎公園です。朱塗りの大鳥居がひと際鮮やかです。1928年(昭和3年)に、昭和天皇の大礼を記念して建てられました。高さ24m、幅18mにもなり、建設当時は国内最大の鳥居だったと言われています。遠くからでも見逃さないこの特徴的な鳥居は、神宮周辺の岡崎地区のトレードマークとしてなくてはならない存在です。
仁王門通りを渡ると、鳥居の向かって左側は京都国立近代美術館です。
大鳥居の向かって右側は京都市京セラ美術館です。
京都国立近代美術館の北隣にあるのが、日本初の公立図書館・京都府立図書館です。ここ岡崎の地へ移転されてから110年余り、今、正面に見えている外壁はその当時の姿をとどめています。レトロクラシックな外観が美しいですね…
京都府立図書館を通り過ぎ、二条通の横断歩道を渡ると向こうに応天門が見えて来ました。
応天門(重要文化財)です。
平安神宮の社殿は、桓武天皇が開かれた当時の平安京の正庁、朝堂院が約8分の5の規模で再現されています。大極殿(だいごくでん・外拝殿)・応天門(おうてんもん・神門)・蒼龍楼(そうりゅうろう)・白虎楼(びゃっころう)・歩廊・龍尾壇(りゅうびだん)などは明治28年(西暦1895年)の創建当時に造営されたものです。
その後昭和15年(西暦1940年)孝明天皇ご鎮座にあたり、本殿・祝詞殿・神楽殿(かぐらでん・儀式殿)などが増改築され、これまでの社殿も大修理が行われました。また、昭和50年からは主要な建物の屋根葺替が行われ、この間51年に社殿の一部が災禍に会いましたが、54年にはその復興もあわせて完成し現在のような壮麗な社頭が整いました。
ここを訪れると、今から1200年前、京都が生まれたばかりの風景をさながらに体感し、大宮人の気持ちを追体験できるのだそうです。
では早速、平安神宮の中へ入って行きましょう。
大極殿(重要文化財)です。平安京の大内裏の正庁で、即位、朝賀をはじめ国の主要な儀式が行われる中枢です。大極とは、宇宙の本体・万物生成の根源を示す言葉で、天皇の坐す御殿を意味します。
大極殿の左手前に「神苑受付」とありますが、コロナで参拝客が少ないからか、こちらは閉鎖されていました。
神苑の受付は拝殿の左手にありました。境内の拝観は無料ですが、神苑はこちらで入苑料600円を払います。
こちらから入っていきます。
平安神宮神苑は明治時代の代表的な日本庭園として広く内外に知られており、社殿を取り囲むように東・中・西・南の四つの庭からなっています。
総面積約33,000㎡(約10,000坪)の広大な池泉回遊式庭園で、明治の有名な造園家7代目小川治兵衛らの手になるものです。平安京千年の造園技法の粋を結集した庭園として、昭和50年12月に国の名勝に指定されています。
入口を入るとすぐにしだれ桜の名所として有名な南神苑です。
6月だったので、残念ながら桜は見られませんでしたが、満開だったらさぞ華やかだったことと思います。来年は是非しだれ桜を見に来たいものです。
南神苑は明治28年の平安神宮創建以来、しだれ桜の名所として親しまれてきました。
昭和44年の孝明天皇100年祭の時に、平安時代の特色である野筋(道筋)と遣水が設けられました。また、昭和56年には、平安時代の代表的文学書(竹取物語・伊勢物語・古今和歌集・枕草子・源氏物語)に登場する草木、約180種類を植栽して、王朝文化をしのばせる庭「平安の苑(その)」としました。
四季折々の草木が植えられていて、草木の名前と登場する文学の名称、登場箇所が小さな立て看板にして添えられていましたが、あいにくこの日の平安の苑ではつつじぐらいしか咲いておらず、立て看板の写真も撮り忘れました。
あれ?こんな所に電車が…
この電車は、明治28年8月31日に日本最初の交通輸送業電車として京都電気鉄道が運行し、平安神宮のある岡崎付近にも敷設されていました。日本の電気鉄道の先駆けとして交通事業に貢献してきました。
しかし、明治45年6月に京都市が市営電気軌道(市電)の営業を開始し、大正7年6月に京都市に合併されました。その後時勢の推移から各路線が随時廃止され、昭和37年7月には永年チンチン電車の愛称で親しまれてきたわが国最古の電車もその姿を消すこととなりました。
この電車は当初のもので、平安神宮創建とも深い関係があることから、京都市より払下げを受け、記念としてこちらに保存されているそうです。
南神苑は季節柄、見どころが無く残念でした。
ネットから美しいしだれ桜の写真を拝借↓
コロナ禍が落ち着いたら、人込みを気にすることなく、このように華麗で美しい桜を見に行きたいです。
今回のお散歩はここまでです。
次回は引き続き平安神宮の西神苑・中神苑そして東神苑をご紹介します。こちらは季節にぴったりの神々しい庭園の美が広がっていますので、お楽しみに!