観光客で賑わう嵐山から京福電鉄で3駅のところに車折神社があります。
多くの芸能人が参拝し、有名な芸能人の名前を記した玉垣がたくさんある芸能神社もこの車折神社の末社です。
仕事でミスが続いた時、プライベートで上手くいかない時、体調が悪い時など「この頃何となくついてないなあ…」という時、私は神社へお参りに行きます。京都はとにかく神社仏閣が多いので、10分も歩けば神社があるという人が多いのではないかと思います。掃き清められた境内、大きくどっしりとした木々、静かで清浄な空気…特に信仰心が篤いわけではない私でも、神社にお参りするだけでスッキリと気分がリセットされ、明日からまた頑張ろう、と思えるから不思議です。
そして今回の車折神社こそ、京都でも随一の開運パワースポットなんだそうです。
小さな神社ですが、たくさんの末社が立ちならび、お参りするといいことが沢山あるかもしれませんよ。
車折神社の場所
https://goo.gl/maps/coJrx7GWQq8spf88A
車折神社への行き方
- 京福電鉄嵐山本線(嵐電)「車折神社駅」下車すぐ南側
- JR西日本嵯峨野線(山陰本線)「嵯峨嵐山駅」下車 徒歩約10分
- 阪急電鉄嵐山線「嵐山駅」下車 徒歩約15分
- 京都市営バス「車折神社前」下車 徒歩3分
- 京都バス「車折神社前(嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学前)」下車 徒歩約3分
今回のスタートはJR嵯峨嵐山駅。北側の階段を下りて、住宅街を東へ向かいます。
5分ほど東へ歩くと、早速小さな神社が。若宮神社です。詳しい歴史などはわかりませんが、掃除が行き届き、地元の方に大切にされているようです。
更に東へ進みます。
5分ほど歩くとまた小さな祠が。今度はお地蔵さんです。油掛地蔵と言い文字通り「油」をかけて祈願をするお地蔵さんです。
油掛地蔵の横には自治会の集会所のようで、その脇にはテーブルと椅子もあり、近所のお年寄りの憩いの場になっていました。
「油」を掛けるという風習はいつごろから始まったのか定かではありませんが、江戸時代の油商人はこの前を通るときには必ず「油」を掛けたという記述が残っています。
長年「油」を掛けられて真っ黒に黒光りしており、真っ黒い油の層で素性が分からず「大日如来像」だと思われていたそうです。
お堂に掲げられた額に「油掛 大日如来/地蔵尊 御詠歌」と書かれています。
ところが昭和53年(1978年)の調査で「阿弥陀如来坐像」であることがわかりました。そして延慶3年(1310年)願主「平重行」により「阿弥陀三尊」として安置されたことがわかりました。なんと鎌倉時代から存在しているとても古い石像なのです。京都には鎌倉時代の石像は、この他に2体しかなくどちらも重要文化財などに指定されており、「油掛地蔵」もとても貴重な文化財なんだそうです。
住宅街にさりげなく佇むお地蔵さんが、そんなに古くから庶民に親しまれて大事にされていたんですね。
さて、油掛地蔵を後にして、更に有栖川沿いを東へ進みます。
佐藤ふとん店の角を南に進み、
道が二手に分かれている所を左手に進みます。
また二手に分かれた所を南へ進み、突き当りを東へ
右手にJRの線路の高架が見えるのでその下をくぐりさらに南へ
道の向こうに京福電車の踏切が見えるのでそちらへ進みます。
車折神社駅から三条通りへ行く時、地元の方はこの神社を通り抜けて行く方が多いです。こちらから入る通りは裏参道になります。表参道は三条通側から入ります。
裏参道を進むと左手に弁天神社が。
弁天様は「金銀財宝」や「幸福」をお授け下さる女神様だそうです。
清めの社。清めの社のご神力(パワー)により、車折神社の境内全体は「悪運・悪因縁の浄化」「災厄消除」のご神力が充満しており、全国から厄除け、八方除けのご祈祷を受けに来られるそうです。
おすすめの参拝手順の看板がありました。
「車折神社」の社名は、後嵯峨天皇が嵐山に遊行された際に、社前で牛車の轅(ながえ)が折れ、動かなくなったことから、ご神威を畏れ、門前右側の石を「車折石」(くるまざきいし)と呼んで「正一位車折大明神」の神号を贈られたことに由来するそうです。そのため、車折神社では「石」に対する信仰が篤く、「清めの社」や、神主がお祓いをした石が入ったお守り「祈念神石(きねんしんせき)」は古来より信仰を集めているそうです。
天満天神社(あらみつあまつかみのやしろ)雷除け、農業、園芸の守護神だそうです。
神明神社。本殿に行くまでに三つもお社がありますね。
こちらが社務所。お守りの購入やご祈祷の申し込みが出来ます。
車折神社の案内板がありました。
案内板によると、車折神社のご祭神は清原頼業で、彼は学問で有名は広澄流清原氏の出で、自身も平安時代後期の著名な漢学者・儒学者だったそうです。
彼の学徳により学業成就や試験合格はもとより、特に「約束を違えないこと」をお守りくださる霊験あらたかな神様だそうです。そのため商売繫盛、金運向上、家内安全、良縁成就など様々なご利益があり、全国からお参りする人が絶えないのだそうです。
さて、本殿へお参りしましょう
お参りした後、後ろを振り返ると、たくさんの石が積まれています。
これらの石は祈念神石により願い事が成就した方がお礼として納めたものです。
本殿をお参りした後、本殿の奥にある八百万神社へ向かいます。
狛犬の前を通り過ぎ、突き当りを左へ曲がると
本殿の真裏に八百万神社があります。
津々浦々におられる八百万の神々にあやかり、「人脈拡大」のご利益があるそうです。
本殿をお参りした後、参道を南へ進むと表参道へ出ます。が、この三条通から表参道を北上して突き当たる大鳥居は通り抜けられないので、お参りの際は、先ほど私がしたように参道を右に回り社務所の前の本殿入口からお入りください。
車折神社の境内には、そのほかにも「清少納言社」や「大国主神社」「水神社」などもありますが、何といっても「芸能神社」が有名です。
芸能神社はその名の通り芸能にご利益がある社で「天宇受売命(あめのうずめのみこと)」という女性の神様がまつられています。
日本神話によると、天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れてしまい、この世が真っ暗になった時、岩戸の前で舞を演じたのが天宇受売命で、その舞に惹かれた天照大神が岩戸から出てこられ、この世に光が戻ったといわれています。このことから、天宇受売命は芸能の祖神といわれており、芸の上達を願う人たちが訪れるようになったそうです。
境内には参拝した芸能人の名前が記された「玉垣(たまがき)」が」あり、2000枚以上も奉納されているそうです。
玉垣に記された芸能人の名前をたどっていくだけでも、なかなか楽しめます。お目当ての芸能人の名前を探して写真を撮っているファンの方の姿もよく見かけられます。
こちらが、三条通側から入る表参道入口です。ここから南へ向かうとバス停があります。
私は、車折神社イコール芸能神社だと思っていましたが、芸能神社は数ある末社のうちの一つに過ぎないのですね。もちろん車折神社の末社の中で、この芸能神社が一番有名だとは思いますが、それだけでなく車折神社自体が様々なご利益のある、京都でも有数のパワースポットであることは、今回この神社のことを調べてみて初めて知りました。
神社をお参りするというのは、もちろんそのご祭神の霊験にあやかるという意味合いもあるでしょう。でもそれだけではなく、静かで清々しい境内の空気にふれ、神様に向かって手を合わせ、素直に自分の心と向き合うことで、様々な悩みや雑念が取り払われ、新しい気持ちで事に当たれるようになるということなのかな、と今回たくさんの末社にひとつひとつ手を合わせながら感じました。
嵐山へ観光に来られる際には、ぜひ車折神社へも足を伸ばしてみてはいかがですか?
今回はJR嵯峨嵐山駅から若宮神社~油掛地蔵も巡り、車折神社もお参りし、小一時間ほどでした。
6月になると、車折神社では境内に茅の輪が登場します。
夏越の祓といって、今年前半の罪や穢れを祓い、残りの半年間の無病息災を祈る神事です。詳しくはこちらをご覧ください。↓